「相続で手に入れた空き家を手放したいが、なんだか大変そうで躊躇してしまう」
このような方は多いのではないでしょうか。
そもそも、空き家の処分方法をご存じない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、空き家の処分方法や売却の手順についてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
□空き家を放置するデメリットとは?
空き家を放置すると、ご自身にも空き家のご近所の方にもよくない影響があります。
そこでここからは、空き家を放置するデメリットを3つご紹介します。
1つ目が、固定資産税がかかることです。
空き家の所有者には、固定資産税や都市計画税が課せられます。
納税額は各空き家によって異なりますが、多い場合は年税額100万円を超えるケースもあります。
また、空き家を放置し続けて「特定空き家」と認定されると、固定資産税の軽減措置対象から外され、約6倍の納税義務を負う恐れもあります。
2つ目が、近隣トラブルの原因になることです。
家は一見丈夫に見えますが、放置すると急速に老朽化が進み、外壁材や屋根材が落下する危険があります。
そのため、空き家を放置することで近隣住民の方に被害が及び、近隣トラブルの原因になる可能性があります。
3つ目が、資産価値が下がることです。
家は、住人がおらず放置されると、湿気がこもったり修繕されなかったりすることから、急速に老朽化が進みます。
その結果、資産価値が急激に低下し、「タダに近い安い価格でしか売却できない」という状態になる可能性があります。
空き家の放置を続けると日に日に資産価値が下がってしまうため、なるべく早く対処しましょう。
□空き家の寄付についてご紹介!
空き家の処分方法は、主に「寄付」と「売却」の2つがあります。
まずは、寄付についてご紹介します。
寄付は一般的に、売却できなかった場合に行うことが多いです。
ただし、誰でも受け取ってくれるわけではなく、基本的には次の3つの寄付先から選ぶことになります。
1つ目が、自治体です。
寄付先として思い浮かぶことが多い自治体ですが、使用する目的がなければ土地などの不動産の寄付は受け付けてもらえない場合が多いです。
自治体ごとに定められた条件を満たすと無償で引き取ってくれますが、これはあまりメジャーではありません。
2つ目が、個人です。
個人への寄付に関しては、相手側の需要があれば誰でも良いのですが、あなたがどう活用して良いか分からない土地を欲しがる人はそれほど多くないと考えた方が自然でしょう。
ただし、「隣地の所有者に対して寄付する」場合は、有効であることが多いです。
隣地の所有者は土地を有効活用しやすいですし、今所有する土地ともまとめられます。
なお、個人へ不動産を寄付する場合は、相手方に「贈与税」という税金がかかります。
贈与税に関しては、毎年110万円の基礎控除を受けられるので、土地の評価額から110万円を差し引いた額に税率が課されて、税額が決まります。
3つ目が、法人です。
個人の場合は、隣地の所有者くらいしか寄付先がない場合も多いですが、法人であれば利用の可能性が広がるため、欲しがる企業はあるかもしれません。
また、個人だと譲渡を受ける際に税金がかかりますが、法人なら費用も経費扱いにできます。
なお寄付先に関しては、一般企業よりもNPO法人や学校などの公益法人等の方が可能性が高いと言えるでしょう。
□空き家の売却についてご紹介!
売却は、空き家を処分するときの一般的な方法です。
管理コストのかかる空き家や土地を手放すことで対価を得られる可能性もあるため、メリットが大きいのが特徴です。
なお、売却にはいくつかの方法があります。
具体的には、以下のような方法です。
・そのまま販売する(仲介売却)。
・更地にして土地として販売する(仲介売却)。
・リフォームしたあとに販売する(仲介売却)。
・不動産会社に買い取ってもらう(買取)。
仲介売却でそのまま売却する場合は、物件の状態が良ければ「中古住宅」として、家には住めないほど劣化している場合は「古家付き土地」として販売します。
また、物件がかなり劣化している場合は、家が無い方が高く売れやすいので、家を解体して土地として販売するのも一つの手です。
その他、不動産会社に直接買い取りを依頼する「買取」もあります。
買取を選ぶと、仲介売却ではなかなか売れない物件でも販売しやすくなりますが、販売価格が通常の5〜8割程度まで下がる場合があります。
□空き家売却の流れをご紹介!
「空き家を売却したいが、どのような手順を踏めば良いかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、空き家売却の流れを4ステップでご紹介します。
1ステップ目は、不動産価格の査定です。
先ほどご紹介したどの方法で空き家を売却するにしろ、まずはご自身が所有する空き家のおおよその価格を知る所から始めましょう。
おおよその価格を知ることで、このまま売却するか更地にするかなどの方向性を決められます。
また、大体の相場を知ることで、売却する際の価格設定にも役立ちますし、安すぎる価格で売却して損をすることもなくなるでしょう。
なお、当サイトではweb上でご自身の所有する不動産の価格を手軽に査定できます。
空き家の処分になかなか時間が割けない方でも、まずは当サイトで査定をするところから始めてみてください。
2ステップ目は、売却活動です。
査定金額が分かったら、不動産会社と媒介契約を結び、売却を始めましょう。
場合によっては、「空き家が古い」「立地が悪い」などの理由から売却が長引く恐れを不動産会社に伝えられるかもしれません。
しかし、売却にそれほど時間の制限がない場合は、まず売却活動を始めてみて、購入希望者が現れるか様子を見てみましょう。
買い手が現れた場合は、そのまま売買の交渉に入ります。
もし売却活動を始めてもなかなか買い手が現れない場合は、次のステップに移ります。
3ステップ目は、買取や譲渡の検討です。
なかなか空き家の買い手が見つからない場合は、売却価格の値下げを検討する他に、不動産会社に直接空き家を買い取ってもらうことも選択肢に入れてみましょう。
先ほどもご紹介したように、買取の場合は通常の売却よりも5~8割程度の価格となる場合が多いです。
例えば、空き家の市場価値が1000万円だった場合、仲介で売却すると1000万円で売れるところを、買取の場合は500万円~800万円で買取することになります。
価格は下がってしまいますが、多少古い空き家でも売却しやすいというメリットがあります。
不動産会社からも買取を断られてしまった場合は、寄付を検討しましょう。
寄付をすると手に入る売却益はゼロですが、固定資産税やメンテナンスの費用は掛からなくなります。
ステップ4で、処分の完了です。
処分までにどれほど時間をかけるかは人によって異なりますが、空き家を放置すると様々なデメリットに繋がるため、できるだけ早くに進めるのがおすすめです。
また、売却する場合は、なるべく売却益を多くもらうためにも、3000万円特別控除が使える範囲内で処分が完了するスケジュールを立てておくのが良いでしょう。
□まとめ
今回は、空き家を手放したいとお考えの方に向けて、空き家の処分方法についてご紹介しました。
また、空き家を売却する際の手順についてもご紹介しました。
空き家は放置するとご自身にもご近所の方にも良くないので、早めに処分しましょう。
その他ご質問や相談等ありましたら当社までお気軽にお問い合わせください。