■ フラット35の金利、子供の人数により引き下げ
住宅金融支援機構は、住宅ローン「フラット35」の金利を子どもの人数に応じて引き下げると発表しました。18歳未満の子どもが1人いる世帯は、当初5年間、年0.25%引き下げられ、4人いる世帯は最大1%引き下げられます。
2024年2月からの運用開始を予定していて、子どもがいなくても夫婦のどちらかが40歳未満であれば引き下げの対象となります。
■ 住宅ローン減税の制度変更
2024年から住宅ローン減税の制度が変わり、新築住宅は省エネ基準に適合していないと控除が受けられなくなります。また、控除対象の借入限度額も省エネ性能の高さに応じて異なります。
省エネ基準に適合していない新築住宅を購入する場合は、減税を受けられなくなるため、住宅ローンの負担が大きくなります。また、省エネ性能が高まるほど住宅の値段も上がるため、資金計画全体に無理がないかよくシミュレーションして検討する必要があります。
■ 住宅ローン減税の借入限度額の維持要望
国土交通省は、住宅ローン減税の借入限度額を24年以降も維持するよう与党税制調査会に求める方針です。22年度税制改正で引き下げを予定していましたが、物価高への配慮が必要と判断しました。
住宅ローン減税は、住宅を取得した場合に最大13年間にわたり、各年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税や住民税から差し引く制度です。
借入限度額は、新築で省エネや耐震性能に優れていると認定を受けた「長期優良住宅」の場合、22〜23年は5000万円、24〜25年は4500万円となっています。他の省エネ住宅も24年に限度額が下がる場合があります。
国交省は、住宅価格の高騰や住宅ローン金利の上昇で家を買う人の負担が増えているため、借入限度額の引き下げを見送るべきだと主張していますが、 与党内には予定通り借入限度額を引き下げるべきとの意見もあります。
【所感】
住宅ローンひとつに、インフレ対策、景気対策、少子化問題、環境問題と、現在話題になっている様々な要素がてんこ盛りになっていることがよく分かります。状況が変化していく中、少しずつ調整を加えていく必要が有るのはよく分かりますが、利用者そしてステークホルダーにとっては複雑になり過ぎて、ついていくのが一苦労ですね・・・