これは不動産関連の法律や知識を盛り込んだミニドラマです。
物語形式で難解に思われがちな法律や知識を出来るだけ分かりやすく伝えています。
なお、このドラマで出てくる登場人物、団体等はフィクションです。
ある日、65歳を迎えた佐藤さんは、ふと将来の生活に不安を感じた。新聞で「公的年金が不足する」という話題が取り上げられていたからだ。厚生労働省の資料によれば、夫婦の年金収入は平均で月に26.8万円。だが、ゆとりある老後を過ごすには、毎月34万円ほど必要だと言う。つまり、約7万円の不足が生じることになる。佐藤さんはどうやってこの不足を埋めればいいのか、考え込んだ。
まずは働き続けることから
佐藤さんは現役時代、長年勤めてきた職場で定年後も働ける選択肢を与えられていた。実際に、多くの人が定年後も働き続けることを選んでいるという。データによれば、65歳以上の世帯主が勤労している割合は、ここ20年で大きく増加しているそうだ。佐藤さんも「働けるうちは働こう」と思ったものの、70歳を過ぎると体力的に難しくなるかもしれない、という現実にも直面する。
「それでも働けなくなったらどうする?」と佐藤さんは考える。貯金を取り崩すか、運用で資産を増やすか、他の収入源を見つける必要がある。彼は友人から、「資産をうまく運用すれば、金融所得で生活できるかもしれない」と聞いていたが、利回り4%の運用など、日本では難しい。預金の金利はわずか0.5%、株式の配当も2%程度。仮に1000万円を運用しても、毎月の収入は数万円にしかならない。やはり金融所得だけで年金の不足分を補うのは厳しいという結論に達した。
不動産所得に目を向ける
その時、佐藤さんはふと、持っている空き家のことを思い出した。親から相続した古い家だが、ずっと使っていない。「これを貸し出して収入を得るのはどうだろう?」と考えたのだ。実は日本には900万戸もの空き家があるというデータもあり、そのうちの一つが自分の持ち家だったのだ。佐藤さんは早速不動産投資について調べ始めた。
不動産投資は、手間はかかるものの収入が大きく見込める。管理を不動産会社に委託すれば、オーナーとして安定した家賃収入を得ることができる。ただし、物件の選び方や管理にはノウハウが必要で、空室リスクや修繕費用なども考慮しなければならない。佐藤さんも「借り入れをして投資する」という選択肢には慎重だったが、持っている空き家ならリスクも少ない。「これなら自分でもできるかもしれない」と感じた。
未来に備えて戦略的に
佐藤さんはこうして、不動産所得という新たな収入源を見つけたが、将来のことを考えると、もっと若い頃から準備しておくべきだったと感じた。老後の収入源は、働き続けることや金融資産に頼るだけでは不十分だ。できる限り若いうちから、人的資本や金融資本、事業資本を積み上げておく必要がある。
特に人的資本――つまりスキルや人脈は、老後においても大きな武器になる。副業や兼業で収入源を確保できるかもしれないし、必要な時に助けてくれる人間関係を築くことも重要だ。
佐藤さんはこの経験を通じて、老後の準備には早めの対策が必要だと痛感した。そして、「不動産売却王」などのサービスを利用すれば、簡単に自分の持ち家の価値を知り、資産を活用できることを知った。今からでも遅くはない、と思い立ち、次のステップに進むことを決意した。