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巨額詐欺の舞台裏 地面師たちの巧妙な手口

かつて都心の旅館跡地に建てられた高層マンション。その土地の裏には、実際にドラマになったほどの驚くべき物語が隠されていました。

第一章:巧妙な「なりすまし」

2017年、東京都品川区。五反田駅近くの廃業した旅館跡地が事件の舞台でした。不動産ブローカー、内田マイク(71歳)はその土地に目をつけました。マンション開発が盛んなエリアで、業界全体がその土地を狙っていることを見抜いていたのです。

内田は仲間を集め、「地面師」チームを結成。偽造パスポートや書類、なりすまし役、交渉役、そして教育役といった役割を完璧に分担し、計画を進めました。まるで映画のような準備が進む中、彼らは積水ハウスという不動産大手をターゲットに選びます。

第二章:異例のスピードで進む契約

4月、積水ハウスの担当者たちは「所有者」を名乗るカミンスカス操(65歳)と面会します。「所有者の財務担当者」という肩書きで交渉に臨んだカミンスカスは、その場で見事な説明力を発揮。10日後には「契約締結方針」が決まり、なんと4日後には14億円もの手付金が支払われてしまいました。

さらに6月には残金49億円が振り込まれ、地面師たちは合計55億円を手に入れます。しかし、彼らの計画は完璧ではありませんでした。法務局が提出された書類を確認し、偽造であることを見抜いたのです。

第三章:暴かれる詐欺と裁判の行方

その後、事件が明るみに出ると、内田らは逮捕されました。刑事裁判では主犯の内田に懲役12年の判決が言い渡され、共犯者も次々と有罪となりました。さらに民事裁判では、積水ハウスが損害賠償を求め、主導役5人に対して10億円の支払い命令が下されました。

事件をきっかけに、不動産取引における確認作業の甘さが指摘されています。特に、好条件の物件を前にすると警戒心が薄れる傾向があると言われています。

第四章:地面師被害は今も続く

驚くべきは、このような手口が2024年現在でも続いているということです。本物そっくりの偽造書類を使い、短期間で巨額をだまし取る詐欺事件が後を絶ちません。専門家は、「どんな案件でも複数人による確認が必要だ」と警鐘を鳴らします。

まとめ:被害を防ぐために

このような事件を防ぐためには、何よりも慎重な確認が欠かせません。不動産取引を検討する際には、プロの目で書類や手続きを確認してもらうことが重要です。

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