これは不動産にまつわるミニドラマです。
難しいイメージのある不動産のニュースや法律・知識を、物語形式にすることにより、分かりやすく伝える試みです。
※ 基本的に本ドラマは実際の法律や記事に基づいて作成していますが、時期や地域および状況によっては内容が異なる可能性もございますので、御注意ならびに御了承くだいますようお願い致します。
※ 本ドラマで出てくる登場人物、団体等は全てフィクションです。
岡山市内で賃貸アパートを所有する本山さん(仮名)。ある日、入居者の一人が家賃を滞納し、さらには行方不明になってしまいました。部屋には家具や衣類がそのまま残されており、数ヶ月にわたる滞納が続く一方で、連絡もつかず…。本山さんは困惑しながらも、「勝手に鍵を交換して部屋を片付けてしまっても良いのか?」と疑問に思いました。
契約書に特約を設ければ解決できる?
本山さんのように、大家として家賃を受け取れないだけでなく、部屋を有効に活用できない状態が続くことは、大きな損失です。そのため、契約書に「もし行方不明になり家賃を滞納した場合、鍵を交換して残されたものを処分できる」といった特約を事前に設けることが可能か、本山さんは考えました。
しかし、このようなケースは「自力救済」と呼ばれる行為に該当します。法律では、自分の権利が侵害された場合でも、勝手に問題を解決することは許されていません。特に、家賃滞納や不在が続いたとしても、法律に基づいた手続きを経ずして部屋に入り鍵を変えたり、所有物を処分することは、法的には厳しく制限されています。
法律の手続きが必要な理由
本山さんができることはまず、入居者に対して滞納分の賃料を支払うよう催促し、その期限内に支払いがなければ契約を解除する通知を送ることです。そして、契約解除後も入居者が部屋を明け渡さない場合、訴訟を提起して裁判所の判決を得る必要があります。その後、裁判所の指示に従い、強制執行によって入居者を退去させる流れになります。
しかし、この一連のプロセスは時間がかかり、滞納賃料が増えるリスクも避けられません。本山さんも、法律相談に訪れた際にこの事実を知り、「そんなに時間がかかるのか…」と驚いたそうです。
みなし明け渡し条項の判決とその影響
本山さんの疑問に対する参考となるのが、賃借人と家賃保証会社との契約における「みなし明け渡し条項」に関する訴訟です。この条項では、賃借人が家賃を2ヶ月以上滞納し、連絡が取れず、さらに部屋を一定期間使用していないことが明らかな場合、保証会社が入居者に異議を述べる機会を与えずに、部屋の明け渡しを行ったとみなすことができるという内容でした。
この条項に対して、2019年の大阪地裁判決は「無効」と判断しましたが、2021年の大阪高裁判決では「適用しても不当な不利益は生じない」として有効と認めました。しかし、2022年12月に最高裁はこの条項を消費者契約法に反するとして無効と判断。最高裁の見解では、入居者が明確に異議を述べる機会を持たない状態で明け渡しが進められることは不当であるとされました。
この判決を受け、みなし明け渡し条項は改訂され、保証会社も慎重な対応を取るようになりました。本山さんも、入居者と直接契約を結んでいる場合でも、このような条項は同様に無効と見なされる可能性が高いと学びました。
結局、どうすればいいのか?
「自分で勝手に鍵を交換することはできないのか」という本山さんの最初の疑問は、明確に「できない」という結論に至りました。法的手続きを踏まずに行動すると、損害賠償や刑事責任が問われるリスクがあるため、必ず弁護士に相談し、法に基づいた方法で解決を目指すべきです。
もし同じようなトラブルに悩んでいる方がいたら、法律に従って確実な手続きを行い、トラブルを未然に防ぐことが重要です。不動産の悩みをお持ちの方は、まずはプロの相談を受け、時間をかけてでも安心できる解決策を選びましょう。
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