不動産売却で赤字が出た場合、そのまま放置してしまうと税金面で損をしてしまう可能性があります。
損益通算や繰越控除といった税金控除を活用することで、税金を減らせる可能性があります。
今回は、不動産売却による赤字が発生した場合に利用できる税金対策について、具体的な方法を解説します。
将来を見据えて資産運用に興味がある方や、不動産売却で赤字になった可能性があり、税金対策について知りたいと考えている方の参考になれば幸いです。
不動産売却で赤字が出た場合の確定申告
不動産売却で赤字が出た場合、確定申告をすることで税金を減らせる可能性があります。
具体的には、損益通算や繰越控除といった税金控除の特例を利用できるからです。
1: 損益通算
損益通算とは、不動産売却による赤字を、給与所得などの他の所得から控除する制度です。
ただし、通常の不動産投資や賃貸用の物件では、この損失を給与所得や事業所得と相殺することはできません。
しかし、マイホーム(居住用財産)を売却した場合には特例があり、損失が発生した場合に限り給与所得などと損益通算が認められることがあります。
この制度を活用することで、税金を減らせる可能性があります。
(当特例には期限があります。2024年現在2025年12月31日まで利用可能です。)
2: 繰越控除
繰越控除は、損益通算で相殺しきれなかった赤字を、翌年以降の所得から控除する制度です。
この制度も、損益通算と同様にマイホームを売却した場合に限り適用される特例であり、損失を最大3年間にわたって繰り越し、翌年以降の所得と相殺することが可能です。
3: 確定申告の手続き
確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告書を提出する必要があります。
損益通算や繰越控除を受けるためには、必ず確定申告を行う必要がありますので注意が必要です。
確定申告を行う際には、不動産売買契約書や不動産取得費用などの書類が必要となります。
赤字を避けるためにできること
不動産売却で赤字を防ぐためには、売却価格を最大限に引き上げる必要があります。
売却価格を上げるためには、以下の対策が有効です。
1: 複数の不動産会社に査定を依頼する
複数の不動産会社に査定を依頼することで、それぞれの会社の強みや得意分野を生かして、より高い価格で売却できる可能性があります。
2: 市場価格を調査する
不動産売却では、市場価格を把握することが重要です。
周辺地域の物件情報を収集したり、不動産会社に市場価格調査を依頼したりすることで、適正な売却価格を把握することができます。
3: 物件の価値を高める
リフォームやリノベーションを行うことで、物件の価値を高め、売却価格をアップさせることができます。
ただし、リフォームやリノベーションには費用がかかるため、費用対効果を検討することが重要です。
4: 売却時期を検討する
不動産市場は常に変動しています。
売却時期によって価格が大きく変わる場合もあります。
不動産会社に相談し、売却時期の検討を行いましょう。
まとめ
不動産売却で赤字が出た場合、損益通算や繰越控除といった税務上の特例を利用することで、税金を減らすことができます。
また、売却価格を最大限に引き上げることで、赤字を防ぐことも可能です。
不動産売却は、人生における大きなイベントです。
税金対策をしっかり行い、安心して売却を進められるようにしましょう。