不動産売却は人生における大きな取引です。
スムーズに売却を進めたい気持ちがある一方で、トラブルが不安という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産売却でよく起こるトラブルの事例と、リスクを最小限に抑えるための対策と相談先を紹介します。
安心して不動産売却を進められるように、トラブルを回避するための知識を身につけましょう。
不動産売却でよくあるトラブル
不動産売却では、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
トラブルに巻き込まれないためにも、事前に起こりうるトラブルとその対策について理解しておくことが重要です。
1: 仲介手数料の金額に関するトラブル
不動産売却において特に注意すべきトラブルの一つに、仲介手数料に関するトラブルがあります。
悪質な不動産会社の中には、法外な金額の仲介手数料を請求してくるケースも存在します。
仲介手数料は、法律で上限額が定められており、取引金額によって以下の通り計算されます。
・200万円以下の金額:取引額の5%+消費税
・200万円超400万円以下の金額:取引額の4%+2万円+消費税
・400万円超:取引額の3%+6万円+消費税
上記で算出される金額以上の支払いを求められた場合は、注意が必要です。
また、仲介手数料は売買契約成立時または売買契約時と決済・引き渡し時の2回に分けて支払うのが一般的です。
契約成立前に請求された場合は、支払う義務はありません。
2: 媒介契約に関するトラブル
媒介契約に関するトラブルでは、「囲い込み」と呼ばれるケースがよく見られます。
囲い込みとは、不動産会社が売り手と買い手両方から仲介手数料を得ようとする行為です。
売り手と買い手を結びつけ、両者から仲介手数料を受け取ることで、本来よりも高額な手数料を請求しようとするケースがあります。
媒介契約を締結する際には、契約内容をよく確認し、囲い込みにあたるような条項が含まれていないか注意が必要です。
3: 物件に関するトラブル
物件に関するトラブルでは、物件の瑕疵や権利関係に関する問題が挙げられます。
例えば、物件に隠れた欠陥がある場合や、所有権に問題がある場合などです。
売主は、物件に関する情報を買い手に正確に伝える義務があります。
物件に瑕疵がある場合は、事前に買い手に告知し、その内容を契約書に明記する必要があります。
告知義務を怠った場合、売主は責任を負う可能性があります。
物件の権利関係についても、売主は所有権を証明する書類などを買い手に提示する必要があります。
権利関係に問題がある場合は、売却前に解決しておくことが重要です。
4: 支払いに関するトラブル
支払いに関するトラブルには、売買代金の支払いが遅延したり、売主が代金を不正に受け取ったりするケースがあります。
売買代金の支払いは、契約書に記載された期日までに完了するよう、売主と買い手双方で確認し合いましょう。
また、売主は、買い手から代金を受け取った際に、必ず領収書を発行する必要があります。
領収書を発行することで、代金の受け取りを証明することができます。
トラブルを避けるための対策
不動産売却でトラブルを避けるためには、売主が事前にできる対策をいくつか検討しておく必要があります。
1: 不動産会社選びの重要性
不動産会社選びは、トラブルを回避するために最も重要な要素の一つです。
信頼できる不動産会社を選ぶことで、トラブルのリスクを大幅に軽減することができます。
不動産会社の選び方としては、以下の点が挙げられます。
・実績や評判を確認する
・複数の会社を比較検討する
・担当者の対応や説明をしっかり確認する
・契約内容をきちんと理解する
信頼できる不動産会社を選ぶことで、安心して売却を進めることができます。
2: 情報の共有と透明性
売主は、物件に関する情報を買い手に正確に伝える必要があります。
物件の瑕疵や権利関係など、買い手が知っておくべき情報は、すべて開示しましょう。
情報を隠したり、不正確な情報を伝えてしまうと、後でトラブルになる可能性があります。
売主と買い手の間で情報を共有し、透明性を保つことで、信頼関係を築き、トラブルを回避することができます。
3: 書面による記録
不動産売却における重要な事項は、すべて書面で記録しておくことをお勧めします。
口約束やメールでのやり取りは、後々トラブルの原因となる可能性があります。
契約内容だけでなく、売主と買い手の間で交わされたすべての合意事項を、書面で記録しておくことで、トラブル発生時の証拠となります。
まとめ
不動産売却は、人生における大きな取引であり、トラブルを避けることは非常に重要です。
この記事では、不動産売却でよく起こるトラブルの種類と、トラブルを回避するための対策について解説しました。
売主は、事前に起こりうるトラブルを理解し、適切な対策を講じることで、安心して不動産売却を進めることができます。
トラブルに巻き込まれないよう、この記事の内容を参考にして、慎重に売却を進めていきましょう。