空き家を相続したものの使い道がないため、いずれ売却するつもりで放置してはいませんか。
売却が完了するまでなんとなく手間も時間もかかりそうだからという理由で多くの方が、つい後回しにしがちです。
しかし、空き家を放置しすぎるのはあまりおすすめできません。
今回は、空き家の売却は早めに取りかかった方が良い理由と売却方法の決め方、売却の手順、注意点をご紹介します。
これから相続する方も既に相続して放置している方も、ぜひ最後までご覧ください。
空き家の売却はできるだけ早めに取りかかる!
実家を相続したものの、既に他の場所で暮らしているため使用することなく放置されている方は非常に多くいらっしゃいます。
しかし、早急に売却に取りかからなければ以下のようなデメリットを被ることになるでしょう。
固定資産税を支払い続けることになる
不動産を所有していれば全員に、固定資産税の支払い義務があります。
固定資産税は1月1日時点で所有者として登記されている人に対して課されます。
つまり、住んだり倉庫として使ったりなどといった使用を一切していない空き家に対しても、毎年固定資産税を支払い続けなければならないということです。
また、不動産の所在地によっては都市計画税もかかるため、長い目で見るとかなりの出費となるでしょう。
近隣トラブルの発端となるかもしれない
遠方にある空き家はなかなか管理が行き届きにくいものです。
しかし、空き家を放置して状態を把握しないままでいると、近隣トラブルに発展する可能性があります。
例えば草木が伸びきって道路や隣家にまで達していたり、害獣や害虫の繁殖によって悪臭が発生したりなどというように、周辺にお住まいの方へ被害を及ぼすことになります。
被害が大きくなれば、損害賠償を請求されることも十分有り得るため、苦情がでる前に対処しましょう。
犯罪や事故に巻き込まれるかもしれない
ただでさえ人の出入りがほとんどなく、草木が目隠し代わりの状態となっている空き家では、人の目に付きにくく犯罪のターゲットにされやすいです。
ゴミの不法投棄や放火、不法侵入という被害に非常に遭いやすく、万が一の時には所有者に対しても管理責任が問われます。
売れにくくなる
放置している期間が長くなればなるほど、築年数が経過することで不動産の価値が下がってしまいます。
特に管理されていない空き家は、劣化の進行が早いです。
ボロボロの家を買いたいという人はなかなか見つかりませんし、売却前に修繕するとなると費用もかかります。
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築20年以内であれば中古住宅として売る
築年数が20年以内の空き家は比較的良い状態であることが期待できるため、中古住宅として売り出しても買い手が見つかるでしょう。
また、建物にも付加価値があるということなので、土地だけで売却するよりも高値で売れる傾向にあります。
また、築20年というのは劣化の進行度合いの目安としてだけでなく、住宅ローンの控除が受けられるか否かにも関わります。
住宅ローン控除が受けられないとなると、買い手が見つかりにくくなるため注意しましょう。
築20年超であれば古家付き土地として売る
築年数が20年を経過し、劣化が進行している場合は古家付土地としての売却がおすすめです。
このとき古家は、経済的な価値がほぼゼロの状態であると見なされます。
買い手は主に購入後、古家を解体して土地活用することを考えています。
そのため、解体費用がかかることを踏まえると既に更地の状態の不動産を売却するよりも、価格が安くなりがちです。
劣化が著しい場合は更地にするか買取
建物の劣化が著しく、倒壊のリスクがある場合は売却前に空き家を解体しておいた方が、買い手が見つかりやすいです。
そのままの状態で売却活動を行っても、不動産を探している人に良い印象は与えられる可能性は低く、行政から指導が入るかもしれません。
また、解体前に不動産会社に対して買取を依頼してみても良いでしょう。
買取では、本来なら取り壊してからしか売却できないような不動産であっても、買い取ってもらえる可能性が高いです。
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不動産を売却する際の全体の流れ
1.空き家を査定に出す
まずは、不動産の査定価格を把握することから始めましょう。
当サイトを利用すると、Web上で簡単に査定ができます。
また、後から営業電話がかかってくることもないため、安心してご利用ください。
2.仲介契約を結ぶ
不動産会社と仲介契約を結びます。
契約にはいくつか種類がありますが、一般的には定期的に売却活動の報告が不動産会社から受けられる、専任媒介契約を結ぶことがおすすめです。
3.売却活動を開始する
売却活動は基本的に、媒介契約を交わした不動産会社が行います。
その間売主は、売却したい家の管理や維持、内見時の対応を行います。
4.買主と売買契約を交わす
買主が見つかると、売買契約に取り掛かります。
必要な書類のほとんどは不動産会社が用意しますが、一部売主自身で用意する必要があるものもあることを、念頭に置いておきましょう。
5.家を引き渡す
契約が完了して手付金が支払われたら、売却した家を買主に引渡します。
また、このタイミングで手付金を差し引いた残りの金額が振り込まれるでしょう。
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空き家の売却にかかる費用・税金
・譲渡所得税
空き家を売却したことで利益が出た場合にのみ生じます。
・相続登記費用
相続した不動産所有者の名義変更が完了していない場合は、売却前に行う必要があります。
・仲介手数料
不動産会社に仲介してもらって不動産を売却した場合、不動産会社に対して支払います。
・解体費用
更地にしてから売却する場合にのみ必要です。
費用は広さや建材、立地によって異なります。
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空き家を売却前に確認しておきたいこと
1.空き家の状態を確認しておく
建物や設備だけでなく、地盤の状態もあらかじめ確認しておきましょう。
不動産の状態を詳しく把握して、修繕できるところが分かっていると、買主に好印象を与えられ高値での売却に繋がるかもしれません。
また、修繕や清掃もですができれば換気をよりこまめに行えると、臭いや湿気対策になります。
自分たちでは掃除できないところや、手の届かない高所の掃除は無理をせず、ハウスクリーニングに依頼するというのも一つの手です。
特に玄関や水回りは内見の際、買主が重点的にチェックする所であるため、よく確認しておきましょう。
2.更地にするタイミングはよく考える
更地にして売却すると決めても、更地にするタイミングはよく検討しましょう。
住宅を取り壊して更地にすると、住宅用地の特例の適用対象から外れてしまい、固定資産税軽減措置が受けられなくなってしまいます。
固定資産税は1月1日の時の状態で決まるため、更地の状態で年をまたぐと、高額な税金を支払う羽目になります。
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まとめ
今回は、空き家の売却は早めに取り掛かる方が良い理由と不動産の状態からみるおすすめの売却方法、売却の流れ、注意点をご紹介しました。
築20年を目安に、中古住宅として売却するか古家つき土地として売却するかの判断をしましょう。
転倒のリスクがあるレベルで劣化している場合は、更地にすることや買取も検討してみてください。
また、更地にする場合はなるべく年をまたがないタイミングで解体するようにすると、固定資産税が増額することなく済みます。