土地の売却をご検討の方は、ご自身の土地を出来るだけ高く売りたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、道路に面していない土地の場合は、売却価格が安くなりやすいです。
そこで今回は、道路に面していない土地を高値で売却するためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
「道路に面していない土地」の判断基準とは?
道路に面していない土地は、以下の3つの種類に分けられます。
・道路ではない道に面している
・道路に面しているが間口が足りない
・他の土地に囲まれている
また、ここでいう「道路」とは、建築基準法に定義された道路のことです。
そのため、道路に接しているように見える土地でも、建築基準法の規定を満たしていない場合があるため注意しましょう。
建築基準法の規定を満たさない土地は建物の建築や建て替えができず、売却が困難となるのです。
ここからは、先ほどご紹介した3つの条件をもう少し詳しくご紹介します。
1つ目が、道路ではない道に面していることです。
建築基準法上の道路は、原則として幅が4メートル以上と定められています。
そのため、土地と接している道路が幅員4メートル未満の場合は、法的には「道路に面していない」と判断されるのです。
また、地域によっては幅員6メートルが基準となっている区域もあります。
2つ目が、道路に面しているが間口が足りないことです。
道路には面していても、土地と道路の接地面が足りないといったケースも道路に面していないと判断されます。
接道義務を満たすには、建築基準法上の道路に2メートル以上接する必要があります。
そのため、あまりにも縦長の土地など、道路と土地の間口が2メートル未満だった場合は道路に面していない土地と判断されます。
3つ目が、他の土地に囲まれていることです。
土地の周りが他人の土地に囲まれている土地は「袋地」と呼ばれますが、この場合も、当然ながら道路と接していません。
また、崖や河川に接していて、道路に出られない土地は「準袋地」と呼ばれ、こちらも道路に面していないとされます。
先ほどもご紹介したように、このような道路に面していない土地には、新たに建物を建てることも、既存の建物を建て替えることも不可能です。
そのため、通常の土地に比べて利用価値が低下してしまい、売却時の価格も安くなる傾向があります。
一般的には、通常の土地の価格相場に比較して3割程度安くなります。
ただし、実際に土地を売却するとなったら、「道路に面していない」という条件に加えて、さまざまな条件の総合評価で価格が決定されます。
主には、以下のような項目で価格が決定されます。
・駅までの距離など交通の利便性
・買い物のしやすさ
・周辺に学校や公園があるか
・日当たりや風通しの良さ
・周辺に反社会的勢力の事務所などはないか
・騒音や振動はあるか、あるとすればどの程度か
・土壌汚染の有無
道路に面していない土地の売却が難しい理由をご紹介!
ここからは、道路に面していない土地の売却がなぜ難しいのか、その理由を2つご紹介します。
1つ目が、工事車両などが物件に近づけず新たに建物を建てられないことです。
住宅建築で使用される一般的な工事車両の横幅は、2から2.2メートルです。
道路の幅員が4メートル未満であっても、車両は十分に通れるでしょう。
しかし、車両はまだしも、幅員が狭いと、建築に必要な機材や資材を運び入れるのが難しくなってきます。
そのため、工事車両が近づいて作業するのが難しく、新しい建物を建てられません。
また、すでに建物が建っている土地でも、接道義務を満たしていない場合は「既存不適格建築物」として再建築が不可能となります。
建替えの際には建築確認申請をする必要がありますが、接道義務を満たしていないとその申請が通らないからです。
そのため、たとえ地震や豪雨などの自然災害で建物が全壊しても、再建築できないということになります。
このように、建て替えが出来ないというのは、買主にとって非常に大きなリスクを抱えることになるのです。
2つ目が、その土地を担保に買主がローンを組めないということです。
土地を買う場合、ほとんどの方はローンの利用を検討するでしょう。
この際に、購入する土地を担保に入れて融資を受けるのが一般的です。
しかし、道路に面していない土地は、担保価値がゼロ円と判断されるケースがほとんどです。
その結果、通常の土地購入と同様にローンを組むのは非常に難しくなります。
現金で土地を購入するか、金利が高いノンバンクローンを利用する必要に迫られるのです。
道路に面していない土地を高値で売却するためのポイントをご紹介!
ここまでご紹介したように、道路に面していない土地はどうしても安価での売却になってしまう傾向があります。
しかし、それでも「少しでも高く売りたい」という気持ちは捨てきれないですよね。
ここからは、道路に面していない土地を高値で売却するためのポイントを3つご紹介します。
1つ目が、無道路地を解消し接道義務を満たす方法です。
土地を高く売却するために最も効果的な方法が、「接道義務を満たすことで再建築可能な通常の宅地にする」ことです。
そのためには、隣地の所有者から土地の一部または全部を購入し、建築基準法上の道路に2メートル以上接道させます。
又は、売却ではなく土地の一部を交換するのも1つの手です。
この場合、隣地の所有者から協力を得ることが不可欠となります。
多少相場より高い価格になっても、接道義務を満たすメリットの方が大きいと考えられる場合は、購入を検討してみましょう。
2つ目が、隣地の所有者に買い取ってもらう方法です。
隣との土地の所有者は、道路に面していない土地を最も高く購入してもらえる相手といえます。
土地は基本的に、面積が大きいほど価値が高くなります。
無道路地と自分の土地を合わせることでより良い整形地になる場合は、購入したいと考える人はいるでしょう。
すでに接道義務を満たしている隣地の所有者に関しては、無道路地を購入してもらえる可能性は十分にあります。
この場合、まずは隣地の所有者の要望を聞き取りましょう。
また、日々のコミュニケーションで相談しやすい関係を築いておくことで、いざというときに快く対応してもらえる可能性が高くなります。
3つ目が、地方公共団体の許可を得る方法です。
建築基準法第43条2項2号の特例を行使することで、建物の再建築を地方公共団体に認めてもらうのも1つの手です。
接道義務を満たしていない場合でも、国が定めた一定の基準をクリアすることで、建築の許可を得られるのです。
この国が定めた一定の基準は、建築基準法施行規則第10条の3第4項に定められる以下の内容です。
・その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有する建築物であること
・その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上のものに限る)に2メートル以上接する建築物であること
・その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であること
これらの基準に当てはまりそうな場合は、役所の建築課などに問い合わせてみましょう。
まとめ
今回は、道路に面していない土地をなるべく高く売却したいという方に向けて、道路に面していない土地を高値で売却するためのポイントをご紹介しました。
不動産売却王では、不動産の価格をその場で知れて、ご希望の場合は詳細な査定依頼も可能です。
その他ご質問や相談等ありましたら当サイトまでお問い合わせください。