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風致地区に家を建てるデメリット?建築制限についてご紹介します!

「土地を売りたいが、風致地区に指定されていて売れるか心配」
このようにお困りの方もいらっしゃるでしょう。
風致地区に指定されると家を建てる際に建築制限がかかるため売却が難しくなる場合がありますが、それだけの理由と価値のある土地です。
今回は風致地区の建築制限をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

そもそも風致地区とは?

そもそも風致地区がどのような地区を指すのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
皆さんは普段あまり意識される機会はないかもしれませんが、日本の土地は様々な地区に分割されています。
そして、それぞれの地区には、居住用や観光用などの役割が存在します。

風致地区も同様に役割を持ち、「都市の風致を守るために定められる地区」と定義されています。
風致地区は具体的に、都市計画区域にあって、かつ住環境の優れた地域が指定される場合が多いです。

そもそも風致には、自然の風景などが持つ趣という意味があります。
このことから風致地区は、素晴らしい景色を維持するために、人の手を加えることが制限される環境と言えるでしょう。
風致地区は都市計画法に基づくものですが、詳細は各地方公共団体が都道府県の条例によって定めます。
具体的な制限項目として、土地は6つ、建築物は4つの制限が存在します。

まず、土地に関しての主な制限項目は、「宅地の造成・土地の開墾その他の土地の形質の変更」です。
例えば、田んぼなどの不整地をコンクリートで整備し、その上に新築物件を建てるなどの行為がこれに該当します。

続いて建築物の制限は、以下の4つです。

・建築物その他の工作物の新築・改築・増築又は移転。
・建ぺい率や建築物の高さ、敷地境界線から建築物外壁又はこれに代わる柱の面までの距離や建築物の形態及び意匠色彩など。
・住宅の壁や屋根の色にも気を配る必要がある。
・風致地区の建築制限は、建築基準法と都道府県の条例による2重の制限があるため、通常より制限水準が高い。

風致地区では、建築物によって景観の統一感が壊れないように配慮する必要があります。
例えば、和風の街並みに洋風の家を建てると、景色の調和が乱れてしまいますよね。
また、緑や川などの自然の景色を維持するために、奇抜な色や形状の住宅を建築しないことが、風致地区で建物を持つ義務になります。

 

「都市計画法」に関連する記事

 

風致地区と景観地区・保存地区との違いは?

先ほどもご紹介したように、風致地区景観を保持するために定められる地区ですが、これと似た「景観地区」があります。
例えば、岡山県倉敷市の美観地区などが景観地区に該当します。
景観地区とは、歴史的な町並みを保つ目的で市町村が定めるものです。

また、これとよく似ている「保存地区」というものもあります。
正式には伝統的建造物群保存地区、略して「伝建地区」とも呼ばれます。
この伝建地区は、文化財保護法による国の制度で、京都の清水寺周辺などが該当します。
この地区の制限は、風致地区とおおよそ同様で、市長及び教育委員会から許可を得ることになります。

これ3つの地区はいずれも、歴史や自然を大切にする試みによって定められた制度と言えるでしょう。

風致地区に家を建てるデメリット?建築制限についてご紹介!

風致地区はその景観を守るために、建築に対して様々な規制が存在します。
では、風致地区にかかる建築の制限には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
先ほどもご紹介したように詳細は各地域によって異なるため、今回は、埼玉県にある大宮風致地区を参考にご紹介します。

なお、所有されている土地の地区内の制限は各都道府県の行政によって異なるため、HPなどを参考に調査してください。
ご不明点があれば、当サイトにお気軽にお問い合わせください。

1つ目が、建築物の高さです。
風致地区内の建物は、高さを12メートル以下にする必要があります。

2つ目が、建ぺい率です。
建ぺい率とは、敷地面積のうちで建物を建てる面積が占める割合を言います。
風致地区の場合は、この建ぺい率が40パーセント以下である必要があります。

3つ目が、建築物の外壁と敷地境界までの距離です。
風致地区においては、道路境界から建物の距離を2メートル以上保つ必要があります。
また、敷地境界線から建物までの距離を1メートル以上確保することも定められています。

4つ目が、建築物・その他工作物の形態及び意匠です。
これに関しては、「当該土地及び周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。外壁、屋根の色は、原色系の派手な色を避けてください。」とされています。
なお、外壁、屋根の色に関しては、「さいたま市景観条例」の基準に適合するものにするようにという内容の規定も存在します。

その他にも、「緑地の割合は、敷地面積の10パーセント以上を確保する」「敷地内に高木と低木を一定の割合以上配置する」などの要件も存在します。
総じて、周囲の環境に十分配慮した上での開発行為を必要とされるでしょう。

 

「都市計画法」に関連する記事

 

風致地区の価値とは?売却の際の強みをご紹介!

土地の価格は、それぞれの時代の景気や流行など、様々な要因で変動するものです。
風致地区も全くの例外ではありませんが、通常の土地と比較すると、土地の値段は変動しにくいです。
ただし原則として、土地の価格は需要と供給を考慮して決定されており、欲しい人が増えれば価格は上がり、欲しい人がいなければ土地の価値が安く設定されます。

この考え方だと、価格が高くなりやすい土地は利便性の高い地域で、人口の多い地域の傾向が高いでしょう。
便利な土地には人が増え、人が増えると仕事ができ、仕事ができるとさらに人が増え、人が増えることでさらに便利になっていきます。
このような好循環が現在起こっている、または起こる未来が予想される土地は価値が高騰する可能性が高く、その土地はより高値で売却しやすいでしょう。
ただし、これと反対の現象が起こる土地は、価値が下がる負のスパイラルに陥る可能性があります。

前者は主に都心部で、後者は過疎地域です。
ただし風致地区に関しては、一般的な土地とは異なる要素が存在します。
それは、土地に課される建築制限と、風致地区の特色です。

風致地区ではご紹介の通り、土地の整備や住宅の建設制限について、通常より高い基準が設定されています。
そのほかにメリットが無ければ、このような制限の厳しい土地を購入する方は少ないかもしれません。
しかし、風致地区にしかない素晴らしい景観や趣に価値を感じられる方は、非常に多いです。

土地の価値は、その時々の需要と供給のバランスで大きく変動しますが、古くから多くの人に慕われ、守られてきた地区の特性は、普遍的な価値を持ちます。
「土地の趣はいらないから好きな家を建てたい」という方には風致地区での生活は難しいですが、その地域の良さを味わいながら生活したいという方には最適です。
つまり、風致地区は、制限の強さによって土地の価値が下がる要素にはなりますが、それにも勝る土地そのものの価値が存在し、他の土地より景気に影響されづらいです。
この点は、風致地区にある土地を売却するうえで大きな強みとなるでしょう。

まとめ

今回は、売ろうとしている土地が風致地区に指定されているという方に向けて、風致地区について詳しくご紹介しました。
また、風致地区に家を建てる際の建築制限と風致地区の価値についてもご紹介しました。
その他ご質問や相談等ありましたら当サイトまでお気軽にお問い合わせください。

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