がけ条例とは、がけ地(がけち)に関する安全対策や規制を定めた条例のことである。
各地方自治体が独自に条例を制定し、その地域の地形や災害リスクに応じた対策を講じている。
法律の名称も各自治体により異なり、「がけ条例」はその総称である。
がけ地とは、斜面が急な土地や崖のことで、豪雨や地震などの自然災害によって崩落の危険性が高い場所である。
がけ条例は、こうしたがけ地における建築物の建設や土地の利用に対して一定の規制を設け、安全性を確保することを目的としている。
具体的には、がけ条例には以下のような内容が含まれることがある。
(1) 建築制限:がけ地周辺での建築物の建設に対する制限や条件。
(2) 安全対策:がけ地の補強工事や安全対策の実施。
(3) 土地利用の制限:がけ地やその周辺の土地利用に対する制限。
(4) 避難計画:がけ崩れが発生した場合の避難計画や避難路の整備。
関連法として国が定める「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」(通称「急傾斜地法」)があるが、「がけ条例」はこれと相互に補完し合い、急傾斜地の崩壊による災害を防止するための包括的な対策を構築している。
また、急傾斜地崩壊危険区域は急傾斜地法に基づいて地方自治体が指定し、その後の規制や対策は地方自治体のがけ条例により具体化されるという関係にある。