市街化区域内にある農地や山林で、都市計画による一定の条件の下、この「生産緑地」として指定されることにより、税負担の軽減を受けることができるというもの。
1992年に改正された「生産緑地法」に基づく。
生産緑地に指定された場合、税制上の優遇措置として「固定資産税の軽減」「相続税・贈与税の納税猶予」の2つが大きく挙げられる。
上記税制措置を受けるためには、指定地の運用において以下の2つの制約を遵守する必要がある。
1. 農地等として用いなければならない。(営農の継続義務)
2. 農業を営むのに必要な施設・建物以外は原則として設置できない。(直売所、農家レストラン等の設置は可能)。
生産緑地地区として指定できるのは、市街化区域内にある一団の農地等で、以下の3つの条件を備えた区域とされている。
1.公害または災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、公共施設等の敷地の用に供する土地として適している。
2.面積が500㎡以上である。(条例で規模の引き下げが可能)
3.用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められる。
また、生産緑地における農林漁業の主たる従事者が死亡等の理由で従事することができなくなった場合、または、生産緑地として定められてから30年が経過した場合には(30年経過後は10年ごとに延長可能)、市町村長に買い取りを申し出ることができる。そして、申し出てから3ヵ月以内に所有権の移転がない場合には、行為制限が解除される(実質的に生産緑地としての役割を失う)。
なお、多くの生産緑地は、1992年から30年が経過した2022年から買い取りの申し出が可能となる。