建築基準法とは、建物を建築するうえで最も基本となる法律である。
「国民の生命・健康・財産の保護」を目的とし、建築物の敷地・設備・構造・用途に対する基準を定めている。
建物の設計・建築に関する法律は、他に都市計画法、宅地造成等規制法、消防法など多数存在するが、その中でもこの「建築基準法」は最低限の基準を明示しているものである。
より具体的な内容としては、主に以下のようなものが挙げられる。
・個々の建築物の安全性や構造・防災・衛生の基準について定めた「単体規定」。
・都市計画区域内の防災や環境向上などに則して、建物用途、建蔽率、容積率、建物の高さなどを規制する基準について定めた「集団規定」。
・以上の基準が正しく適用・遵守されるため、着工前の建築確認、工事中の中間検査、完成後の完了検査、および違法建築の是正勧告などの制度。
2023年4月1日から以下の改正が施行された。
・「定期調査報告」の対象範囲が拡大した。オフィスビルや共同住宅など、定期調査報告の対象となる建物は、規模や階数に基づくが、その数が増加することになる。建築法違反の早期発見と是正を目的としたものである。
・住宅の採光ルールが緩和された。窓面積の要件が照明設備の有無で緩和される。これは、事務所を住宅に転用するなど、既存建物の活用を促すことを目的としたものである。
また、2025年4月にも以下の法改正の移行が予定されている。
・新たに建築する建物には、省エネ基準の適合が義務付けられ、建築構造のルールも強化される。木造住宅では耐震壁の追加が必要であり、建築コスト増加の可能性がある。賃貸住宅も影響を受ける可能性もある。
・「4号特例」が見直され、小規模建築物の範囲が縮小される。このため、これまで必要が無かった場合でも、大規模修繕やリフォームに建築確認申請が必要となることある。新たな要件により、審査日数も増加する。