不動産登記簿等により調査しても所有者がすぐに特定できない土地のこと。
所有者が分かっても、その所在地や連絡先が分からない場合も含まれる。
主に相続登記が行われないことにより発生する。
2016 年に実施された民間有識者研究会の推計によると、その広さは 410 万ヘクタールに及び、九州本島の面積を上回る。
今後対策が進まない場合、所有者不明土地は更に増加するとみられ、土地買収が進まず、土地の公共利用に支障が生じる可能性が高い。
このため、政府は 2018 年に関係閣僚会議を設け、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」の成立により、都道府県知事が公益目的があると判断すれば所有者不明土地を利用できるようにした。
翌 2019 年に成立した法律により、不動産登記簿に所有者の氏名や住所が正確に記録されていない土地の売却ができるようになった。
2021 年4月に相続及びその他の理由で所有者の氏名、住所を変更した場合は、3 年以内に土地の登記を義務付ける法案が可決され、2024年4月1日より施行される。これにより、期限内に相続登記を行わなかった場合は罰則として10万円以下の過料が課せられることになる。現在相続登記されておらず放置されている状態の土地も義務化の対象となる。
2022年2月所有者不明土地の活用を促す特別措置法改正案を閣議決定された。これにより、公共目的で利用できる用途が広がり、防災施設や小規模な再生可能エネルギー設備を新たに加えることができるようになり、使用期限も改正前の10年間から20年間に延長される。