担保物権とは、債権者が、債務不履行が発生した場合に、債務者の有する財産から債務の履行を受けることのできる権利のことである。
担保物件には、法定担保物権と約定担保物権がある。
法定担保物権は、一定の事情がある場合に法律上当然に発生する担保物件のことであり、先取特権、留置権がこれに挙げられる。
約定担保物権は、債権者と債務者の間で契約を交わす際に、債務者の信用を創出する目的で、当事者間で設定される権利であり、抵当権、質権がこれに挙げられる。
その他、民法典に規定されていない約定担保物権として変則担保と呼ばれるものがあり、譲渡担保、仮登記担保、買戻、再売買の予約、所有権留保等がこれに当たる。
担保物権には共通して次の 4 つの性質がある。
(1) 附従性
被担保債権が無ければ担保物権も消失する。
(2) 随伴性
債権が債権譲渡により移動すると担保物権も移動する。
(3) 不可分性
弁済が完了するまで担保物権は消滅しない。
(4) 物上代位性
担保物権が滅失してもそれを補填するものを代わりに担保物権とすることができる。