道路斜線制限とは、隣接する道路とその道路を挟んだ敷地の日当たりや通風、採光などを確保するために、建築物に課せられる高さや形状の制限のことである。
建築基準法第 56 条で規定されている。
道路斜線制限によれば、建築物の高さは、隣接する道路を挟んだ敷地の道路境界線から建物までの距離に一定の数値を掛けた値以下にする必要がある。
このため、道路境界線から建築物までの距離が長いほど建築物の高さを高く設計することができる。
また、高層マンションなどで、ある高さより上の部分が斜めになっている建築物がしばしば見られるが、それも道路斜線制限を順守することを目的とする場合が多い。
建築できる高さは概ね以下のルールにより決定される。
(1) 前述の通り、建築物の高さは、建築物から向かいの敷地の道路境界線までの距離に一定の数値を掛けた値以下としなければならないが、この「一定の数値」は用途地域によって以下の 2 つのパターンに分かれる。
(a) 第一種、第二種低層住居専用地域、第一種、第二種中高層住居専用地域、第一種、第二種住居地域、田園住居地域、準住居地域:1.25
(b) (a) 以外:1.5
(2) ただし、建築物から向かいの敷地の道路境界線までの距離が一定以上を超えると、(1) の条件を満たす必要が無くなる。
この「一定の距離」は用途地域と、容積率の組み合わせにより細かく設定されているため、ここでは割愛する。
例えば、住居系の用途地域で容積率が 200% 以下であれば 20m 以上離れていればよい。
また、2003 年(平成 15 年)に施工された天空率制度により、各種斜線制限が緩和される場合がある。