「いごん」ともいうが、日常用語として、「ゆいごん」と読むことが多い。
自分の死後の遺産の処分について、法定相続とは異なる相続を行いたい場合などに法律関係を定めるための最終意思を示すものである。
「法定相続とは異なる相続」とは具体的に、
・相続人以外の者への相続。
・法定相続とは異なる分配。
・兄弟姉妹の相続権の排除。
などが挙げられ、被相続人の意思を反映させることが可能となり、相続争いなどのトラブルを回避する目的も果たすことができる。
また、遺言により個々の財産の相続者を明示することにより、不動産の所有者移転登記が単独で行える、預貯金の払い戻しが円滑に行えるなどのメリットもある。
ただし、遺言書の作成方法も民法に定められており、これに従っていない場合は有効とならない。
一般的には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のいずれかの作成方法となる。
手続きを円滑に進めるため遺言執行者を指定することができ、遺言執行者は相続人の代理人とみなされる。遺言執行者は、弁護士、司法書士、行政書士、信託会社が担当することが多い。