首都圏を中心に築40年以上の分譲マンションが急増しています。
今、これらの老朽マンションの再生が社会的な課題となっています。
現行法では、分譲マンションの建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要で、決議には時間や費用がかかります。
また、建て替えが決まったとしても、長期間契約の借り主が反対して立ち退かないケースがあります。
政府は、これらの課題を解決するため、区分所有法の改正を検討しています。
改正案では、耐震性などに問題がある場合、所在の明らかな人を対象に建て替えの決議要件を4分の3に引き下げます。
また、建て替えが決まっても借り主が立ち退かない場合に、所有者が立ち退き費用などを補償することで賃貸借契約を解除できるようにします。
改正案が成立すれば、老朽マンションの建て替えが円滑になり、再生が進むと期待されます。
【所感】
2023年は区分所有法が施工されてちょうど60年目になります。マンションの寿命は40年程度とされていますから、建て替えの次期に差し掛かっているマンションは既に数多くあると考えられます。
今回の法改正において、賛成の必要数が5分の4(80%)から、「所在の明らかな人」の4分の3(実質75%以下)になるのはひとつハードルが下がります。
更に、マンション建て替えには、巨額な解体・建て替え費用、建て替えが終わるまでの住居の確保、賃借人との交渉など数多くの難題が立ちはだかります。
特に中古マンションを購入する際にはこれらも踏まえ、プロにしっかりと相談しておくことをお薦めします。