親族が死亡した時に発生するのが相続の問題。
普段意識して準備をしておかないと、その内容は分からないことが多く、場合によっては一から調べ直すことも必要です。
相続人が口座や証券を調べる場合、最近ではPCやスマホによるサービスを利用していて書類が残っていないケースもありますし、書類を発見したとしてもそれで全部なのかどうか判断が難しいところです。
場合によっては、手続き出来ないまま生命保険を受け取れないといったケースも無いとは言い切れません。
そこで今回は相続する財産の調査を依頼することができるサービスを紹介したいと思います。
ひと言に財産と言ってもいくつかの種類があります。
・預貯金
・不動産
・有価証券
・生命保険
など。
この内、「有価証券」については「証券保管振替機構」(通称「ほふり」)を通じて亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認することができます。ちなみに、本人が自分の口座を調べることも可能です。
必要書類を郵送すると、2週間程度で開示結果が返送されます。
利用料金は、相続人の場合は1件 6,050 円(税込)、本人の場合は1件 4,400 円(税込)になります。
また、「生命保険」については、2021 年 7 月より「生命保険協会」が始めた「生命保険契約照会制度」を利用することができます。これは、保険契約の有無が分からない人に代わって、同協会が生命保険会社(全 42 社)に契約があるかどうか調べてくれるサービスです。
従来より災害地域での被災者を対象とした 「災害地域生保契約照会制度」という照会サービスがありましたが、これを契約者・被保険者が死亡した時もしくは加入者の認知判断能力が低下した時にも利用できるようにした形となっています。
オンラインまたは郵送で申請を行い、約2週間で結果が返ってきます。
利用料金は、1回 3,000 円(税込)です。
なお、現状、預貯金・不動産については、一括して存在の有無を調査してくれるサービスやシステムは残念ながら有りません。
日本では、親子でお金の話をすることは憚られる傾向にありますが、親から事前に口頭で説明してあげたり、リストなどにまとめて残してあげることで、相続人の調査にかかる労力や兄弟間のトラブルなどを回避することができるでしょう。
【参考サイト】
・証券保管振替機構
https://www.jasdec.com/system/less/certificate/kaiji/chokusetu/index.html
・生命保険協会
https://www.seiho.or.jp/info/news/2021/20210611_1.html