これは不動産にまつわるミニドラマです。
難しいイメージのある不動産のニュースや法律・知識を、物語形式にすることにより、分かりやすく伝える試みです。
※ 基本的に本ドラマは実際の法律や記事に基づいて作成していますが、時期や地域および状況によっては内容が異なる可能性もございますので、御注意ならびに御了承くだいますようお願い致します。
※ 本ドラマで出てくる登場人物、団体等は全てフィクションです。
2024年の秋、東京都新宿区に住む34歳の会社員、佐藤真奈美さんは、毎月の家計簿とにらめっこしていた。彼女は数年前にメガバンクで変動型の住宅ローンを組み、都心に近いマンションを購入したが、最近のニュースを見て、今後の金利上昇が気になり始めたからだ。
「このままで大丈夫なのかな…?」
真奈美さんはリビングのソファに座り、スマートフォンで各銀行の住宅ローンの金利を調べ始めた。そんな彼女の心配のきっかけは、2024年10月に大手5行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行)が発表した住宅ローンの基準金利引き上げだった。この基準金利が17年ぶりに0.15%上がり、変動型のローン金利は2.625%になったというニュースが話題になっていた。
「これから金利がもっと上がるかもしれないし…どうしたらいいんだろう?」
真奈美さんは、金利の動向に詳しい友人に相談してみることにした。
友人からのアドバイスはこうだった。「ネット銀行をチェックしてみたら?最近、SBI新生銀行やauじぶん銀行みたいなところが低金利を保っているし、モゲチェックっていう比較サービスも使ってみるといいよ。」
実際に、真奈美さんが調べたところ、SBI新生銀行は、住宅ローンの最優遇金利を業界最低水準の0.42%にしているという情報が目に入った。ネット銀行は、金利を上げすぎず、新規顧客を積極的に獲得しようとしているらしい。これに対し、大手銀行では、三菱UFJ銀行が最優遇金利を0.345%に据え置き、みずほ銀行はしばらく金利の変動を控える方針だという。一方、三井住友銀行やりそな銀行などは、金利を0.15%上げるという情報もあった。
「手数料とか考えると、簡単には決められないけど…でもこのままだと、返済額がどんどん増えちゃうかもしれない」
真奈美さんは、これまで繰り上げ返済を考えたことがなかった。しかし、ネット銀行への借り換えを検討することで、少しでも支払う総額を抑えたいと思い始めていた。彼女のローンは35年間という長期のものだったが、毎月の返済額に占める利息が増えていくことに不安を感じていたのだ。
真奈美さんのように、住宅ローンの借り換えを検討する人は増えている。実際に、住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営するMFSによれば、2024年9月には借り換え相談が前月比で2.3倍に増加したという。金利上昇の影響が、消費者の行動に大きな変化をもたらしているのは明らかだ。
彼女はふと、家計簿の横に置かれたメガバンクのローン契約書を見つめた。「このままにしていても、毎月の返済額はしばらく変わらないみたいだけど…」そう、銀行の「5年ルール」により、金利が上がっても返済額自体がすぐに増えるわけではなかった。しかし、その裏で元金の減少ペースが遅くなり、利息が増えることで最終的な返済総額が大きくなるリスクは避けられない。
「借り換えをしないと、長い目で見たときにかなりの負担になりそうだな」
真奈美さんは、再びスマートフォンを手に取り、モゲチェックのウェブサイトを開いた。「いい条件の銀行を見つけなきゃ…」と自分に言い聞かせ、次のステップに進む準備を始めた。
このように、日銀の利上げが引き金となり、消費者の住宅ローン選びがさらにシビアになっている。物件価格の上昇や建築資材の高騰も相まって、今後も住宅ローンを取り巻く状況は厳しさを増していくことが予想される。真奈美さんのように、慎重に情報を集め、自分に最適な選択肢を見つけることがますます重要になっているのだ。
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