これは不動産にまつわるミニドラマです。
難しいイメージのある不動産のニュースや法律・知識を、物語形式にすることにより、分かりやすく伝える試みです。
※ 基本的に本ドラマは実際の法律や記事に基づいて作成していますが、時期や地域および状況によっては内容が異なる可能性もございますので、御注意ならびに御了承くだいますようお願い致します。
※ 本ドラマで出てくる登場人物、団体等は全てフィクションです。
埼玉県の郊外に住む斉藤さんは、3年前に両親から相続した中古マンションの売却を検討していました。「都心のマンション価格が上がっている今がチャンスかもしれない」と、友人に勧められたこともあり、思い切って売りに出すことにしました。しかし、斉藤さんの期待に反して、そのマンションはなかなか売れません。
不動産会社に査定を依頼した際は「都心の価格上昇が続いているので、埼玉の物件も需要がありますよ」と言われたものの、現実は違っていました。1ヶ月、2ヶ月と経っても内見の問い合わせすら少なく、斉藤さんは焦り始めました。さらに不動産会社からは「価格を少し下げてみたらどうか」と提案を受けますが、「値下げして本当に売れるのだろうか?」と不安が募るばかりです。
価格が上がる都心、下がる郊外
「なぜ売れないんだろう?」と悩んだ斉藤さんは、改めて周辺の不動産市場を調べてみることにしました。すると、都心のマンション価格が急騰している一方で、埼玉県や千葉県、神奈川県といった周辺地域の中古マンション価格は下落傾向にあるという事実が浮かび上がりました。
特に、斉藤さんが所有するマンションは大宮駅から少し離れたエリアにあり、価格が思ったように上がっていませんでした。JR大宮駅周辺では前年比で17.5%も価格が上昇しているというデータがありましたが、その隣の「さいたま新都心駅」では逆に3.3%も下がっているとのこと。どうやら、駅から少しでも離れると、相場が弱くなるという現象が起こっているようです。
「近くでも、こんなに違うのか…」斉藤さんは、都心から離れた物件が厳しい状況にあることを痛感しました。
金利上昇と住宅ローンの負担
さらに、住宅ローン金利の上昇が購入希望者にとって大きな壁となっていることも判明しました。特に、埼玉や千葉、神奈川といった周辺県では、実際に住むために家を買う「実需層」が多く、金利の上昇は彼らにとって深刻な問題です。
日銀がマイナス金利を解除したことで、今後さらに金利が上がるという見通しが立つと、購入者の足が遠のいてしまいました。不動産の専門家も「賃金の上昇が伴わない限り、金利負担は増すばかりだ」と話しており、斉藤さんのような郊外のマンション所有者にとっては厳しい状況が続いていることがわかりました。
「都心ならお金持ちや外国人投資家がいるから、金利の影響は少ないって話だけど、私たちみたいな普通の家族が住む場所だと、そうはいかないよね…」斉藤さんは、自分のマンションがどんどん売れにくくなっていくような気がして、重い気持ちを抱えていました。
在庫物件が積み上がる現実
斉藤さんが不動産会社に問い合わせたところ、彼のマンションも含めて、埼玉や千葉、神奈川の在庫物件が過去最多になっているということがわかりました。特に埼玉県では、5658戸もの物件が市場に残っており、売れ残っている物件が年々増えているのです。
「こんなに売れ残っているんじゃ、私のマンションもこのまま在庫のひとつになってしまうのかな…」と斉藤さんは心配になりました。都心部では価格が高騰している一方で、周辺地域の物件は新築物件が供給されれば、その魅力が薄れ、中古マンションはさらに厳しい状況に追い込まれてしまいます。
それでも売りに出す決断
それでも、斉藤さんは諦めることなく、不動産業者と相談しながら再度価格を調整し、売り出しを続けることにしました。「もしかしたらタイミングが悪かっただけかもしれない」と自分に言い聞かせながら、次のチャンスを待つことにしたのです。
「売れるまでには時間がかかるかもしれないけれど、焦らずにやっていこう」と、斉藤さんは自分に言い聞かせるようにしながら、これからのステップを慎重に進めていくことにしました。
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