年末の慌ただしさが近づく中、2025年度の税制改正が注目を集めています。働き方、老後の備え、そして住まい――私たちの生活に深く関わる内容が議論されています。今回の改正案が具体的にどのような変化をもたらすのか、それぞれのケースに焦点を当てて解説します。
働きすぎを抑えたい主婦、芽生えた希望
主婦の佐藤美穂さん(35)は、パートタイムで働きながら家庭を支えています。しかし、「年収103万円を超えると税負担が増える」という「103万円の壁」があるため、働く時間を増やすのをためらっていました。
「この103万円の壁がなければ、もっと働いて家計を楽にしたいのに……」
実際、103万円を超えると、基礎控除や給与所得控除を差し引いても所得税が課税されます。さらに、夫の扶養から外れる可能性があり、住民税や健康保険料などの負担が増えることも問題でした。
今回の税制改正案では、この壁を大幅に引き上げる案が検討されています。国民民主党は非課税枠を103万円から178万円に引き上げるよう提案。与党も控除額の拡大には同意しており、最終的な上げ幅が焦点となっています。
もしこの改正が実現すれば、美穂さんのように「働き控え」をしていた人々が、より自由に働ける環境が整うことになります。
子どもたちと安心の老後を考える田中夫婦
一方、老後の準備を進める田中夫婦(40代)は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の拡充に期待を寄せています。現行制度では、加入対象が65歳未満に限られており、老後資金を増やすには限られた時間しかありませんでした。
「定年後も少し働きながら貯蓄を増やせるのはありがたいわね」
税制改正案では、加入年齢を70歳未満まで拡大する案が議論されています。これにより、65歳を超えても働きながら資産形成を進められるようになります。
さらに、掛け金の上限額引き上げも検討されています。現在、会社員の場合、月額2万3000円が上限となっていますが、これが引き上げられれば、積み立て額を増やすことでより多くの資産を形成できるでしょう。iDeCoは運用益が非課税となるメリットもあり、税負担を抑えながら効率的に老後資金を作ることが可能です。
家を買うタイミングを迷う山口さん一家
住宅購入を検討している山口さん一家(夫38歳、妻36歳、子ども2人)は、住宅ローン減税の優遇措置の行方を注視しています。特に、子育て世帯や若年夫婦向けの優遇措置が延長されるかどうかが気になるポイントです。
「省エネ住宅ならローン減税が大きいって聞いたけど、今買うのが正解かな?」
現行制度では、省エネ性能が高い住宅を購入した場合、ローン残高の借入限度額が大きく設定されています。たとえば、ZEH(ゼロエネルギー住宅)の場合は5000万円が上限額ですが、一般的な住宅は4000万円です。
さらに、18歳以下の子どもがいる世帯や、夫婦のどちらかが39歳以下の世帯については、通常の限度額を据え置く優遇措置が設けられています。この優遇措置が延長されるかどうかは、山口さん一家にとって重要な判断材料です。
住宅ローン減税は最長13年間にわたり、所得税や住民税から控除されるため、住宅購入時の大きなメリットとなります。
あなたの暮らしを見つめ直すタイミング
税制改正は、家計や働き方、資産形成に大きな影響を与えるものです。この記事をきっかけに、自分に合った選択肢を見直してみませんか?また、不動産を売却して新しいステージに進むのも一つの手です。
「不動産売却王」では、オンラインで簡単に無料査定が受けられます。住まいの価値を知り、これからの暮らしに備える第一歩を踏み出しましょう!