これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
「カズマさん、これって…私一人で申請できると思ってたんですけど…違うんですか?」
春の午後、都内の不動産会社。新人のミカは、共有名義の土地に関する登記変更を任され、先輩のカズマに相談していた。

今回の手続きは「共有物分割禁止の定めに係る権利の変更登記」。
ミカにとって、登記の実務はまだまだ未知の世界。
「“共有物分割禁止の定め”って、どういうことなんですか?」
カズマは資料に簡単な図を描きながら説明を始めた。
「たとえば、兄弟で土地を相続して共有している場合に、『この土地は勝手に分けたり売ったりしない』っていう約束をみんなですると、それが“共有物分割禁止の定め”なんだ。」
「へぇ、そんな決まりがあるんですね。でも、それを変えるってことは…たとえば“もう分けてもいい”ってことにするってことですか?」
「そうそう。そして、それを登記簿にも反映させるには“登記の変更申請”が必要なんだけど…これが重要なんだ。」
カズマは真剣な表情になった。
「この登記の申請はね、共有者全員が共同で申請しないとダメなんだよ。不動産登記法できちんと決まってる。」
「全員…ですか!?」
ミカの顔に緊張が走る。
「……えっ、ということは、資料に載ってるこの4人、全員に連絡して、同意もらって、書類にも協力してもらわないといけないってことですか!?」
「その通り。1人でも協力してくれなければ、登記申請は受け付けてもらえない。」
ミカは思わず書類を持つ手に力が入った。
「……正直、まだ全員には連絡してないんです。
以前、別の件で連絡が取れなかったって話も聞いたことがあって…もし今回もそうなら…どうすれば…」
「そこはまさに、我々プロの出番だよ。」
カズマは頼もしくうなずいた。
「共有者同士の関係が複雑だったり、連絡が取れない人がいたり、そういう難しい場面でこそ、不動産の専門家が必要になるんだ。手続きを整理して、必要なら弁護士と連携することもある。だから、一人で抱え込まずに、しっかりチームで対応していけばいい。」
今日のポイント
- 「共有物分割禁止の定め」は、共有者全員の合意で決まるルール。
- それを登記変更するには、共有者全員が一緒に申請する必要がある。
- 一人でも欠ければ登記はできないため、実務は思った以上に慎重な対応が求められる。
- 複雑なケースでは、専門家のサポートが重要!
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「自分の不動産が今どういう状態か」を知ることです。
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