これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
登場人物
・佐藤さん(アパートの大家さん)
・不動産屋の田中さん(頼れる不動産の専門家)
物語スタート
最近、アパートを所有する大家さんの佐藤さんは頭を抱えていました。
佐藤さん:「うーん…物価も上がってるし、固定資産税も上がってきた。このままじゃ収支が合わないから家賃を見直したいんだけど…。」
そんな悩みを抱えていた佐藤さんは、信頼している不動産会社の田中さんに相談します。
佐藤さん:「田中さん、今の家賃って、契約からまだ数年しか経ってないけど、それでも上げることってできるのかな?何年か経たないと無理って聞いたことがあるんだけど…。」
田中さんは落ち着いた様子でこう答えました。
田中さん:「実は、よくある誤解なんですよ。その考え方は間違いなんです。」

家賃は「期間に関係なく」交渉できる
田中さんが詳しく説明してくれました。
田中さん:「民法や借地借家法では、『賃料増額請求』に関して『契約から一定期間が経たないと請求できない』といった制限はありません。たとえ契約からあまり期間が経っていなくても、経済事情の変化や周辺相場の上昇、固定資産税の負担増といった理由があれば、大家さんは賃料の増額請求ができるとされています。」
佐藤さん:「そうなんだ。でも急に『上げたい』って言ったら、入居者さんは納得してくれるかな…?」
田中さん:「もちろん、賃料の増額を請求するのは大家さんの権利ですが、それに対して借主が納得しない場合もあります。そのときは、話し合い(協議)が基本ですし、どうしても折り合いがつかない場合は、簡易裁判所での調停や地方裁判所での訴訟など法的手続きを通じて解決する方法もあります。」
こんなときに賃料を見直せる
田中さんはさらに続けます。
田中さん:「例えば、最近よく相談されるのがこんなケースです。」
・周辺の同じような物件の賃料相場が上がっている
・固定資産税や都市計画税などのコストが増えて経営が圧迫されている
・建物の修繕や設備更新などで費用がかかるようになった
田中さん:「こうした正当な理由があれば、期間に関係なく増額請求は可能です。ただし、ちゃんと根拠を示さないと『ただの値上げ』と誤解されることもあるので、資料などを揃えて説明するのが大事ですね。」
今回のポイント
つまり、「賃料が定められたときから一定の期間が経っていないと増額請求ができない」というのは誤りです。
実際には、契約からの期間に関係なく、状況次第で賃料の増額を請求することが法律上認められているのです。ただし、お互いの信頼関係を大切にし、きちんと話し合いを行うことがトラブルを防ぐカギになります。
まずは不動産の価値を知るところから
もし「家賃を上げたいけど、今の不動産の適正な価値や家賃相場が分からない」と悩んでいる大家さんは、まず自分の不動産の価値を正しく知ることが大切です。
そんなときにおすすめなのが、無料で不動産を査定できるオンラインサービス『不動産売却王』です。
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不動産の価値を知ることで、今の賃料が高いのか安いのかも見えてきますし、将来的な売却も含めた経営判断がしやすくなりますよ。
今回は、意外と知られていない賃料増額請求の本当のルールについてお伝えしました。
知らないままでいると損をすることもありますので、しっかり知識を身につけておきましょう!
※この記事の内容は一般的な法解釈に基づいていますが、実際の賃料交渉については専門の弁護士や不動産会社への相談をおすすめします。