これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
「優太、おじいちゃんの山の土地、そろそろどうするか考えないとね。」
春の午後、母がふとつぶやいた。
高校を卒業したばかりの優太は、大学進学も決まり、ひと息ついていたところだった。祖父が数年前に亡くなったあと、放置されたままの山林。最近になって、近所の人から「使っていないなら借りたい」と話があり、家族でその活用を考え始めたのだ。
「でもさ、その土地って、ちゃんとおじいちゃん名義のままなんだっけ?誰か他に相続した人とかいないのかな…」
「さぁねぇ…。相続の手続き、誰がやったかって話もちゃんと聞いてないし…」
母の言葉に、優太はふと不安を覚えた。
もしかしたら、父の兄弟が相続に関与していたのではないか。あるいは既に誰かが登記を変更していたら? そう思った優太は、「とにかく一度、登記簿を見てみよう」と考えたのだった。
翌日、優太は市内の法務局へ向かった。番号札を取って待ち、ようやく自分の番が来た。
「祖父の土地について調べたくて。登記簿と、登記の時に提出された申請書も見たいんですけど…」
申請書には、相続人の名前や申請者の情報が書かれていると聞いたことがあった。もし名義が祖父から誰かに変わっていたなら、その経緯が知りたかったのだ。
しかし、窓口の担当者は丁寧に説明してくれた。

「登記簿は基本的に誰でも取得・閲覧が可能です。一方で、登記の際に提出された申請書や添付書類は、不動産登記法第25条により、個人情報保護の観点から原則非公開とされています。ただし、正当な利害関係を持つ者であり、それを証明できれば、閲覧が許可される場合があります。」
「じゃあ、今の僕の立場じゃダメなんですか?」
優太が少し残念そうに尋ねると、担当者は少し微笑んで答えた。
「いえ、相続人であることを証明できる書類──例えば戸籍謄本などをご提出いただければ、閲覧が認められる可能性は十分ありますよ。ご家族と相談して、必要書類をそろえて改めて申請されると良いと思います」
「なるほど…そうなんですね。ありがとうございます!」
この一件で優太は、「正しい情報を得るには、それに見合う準備が必要なんだ」と学んだ。
その後、登記簿だけを先に取得し、祖父の名義であることを確認。家に戻ってから母と一緒に戸籍を取り寄せることにし、土地の今後について本格的に動き出すことになった。
ここがポイント!
不動産の登記簿は誰でも閲覧できますが、申請書などの附属書類は個人情報や相続に関する情報が含まれるため、正当な理由がなければ閲覧できません。
ただし、相続人であることを証明できれば、閲覧が認められることもあります。
「お金を払えば見られる」というのは誤解!
証明と手続きがあってこそ、情報にアクセスできるのです。
不動産を売る前に、まずは価値をチェック!
「登記の名義は祖父のままだった…」「相続の手続きって大変そう…」
そんな時は焦らず、まずはその土地の価値を知ることから始めましょう。
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小さな疑問からでも、一歩踏み出すことが大きな安心につながります。