これは、不動産に関する法律や税金の知識を、物語形式でわかりやすくお伝えするミニドラマです。
登場する人物や団体はフィクションであり、実在のものではありません。
春の理事会、静かに始まる…
「また理事会か…面倒くさいなぁ」
そうぼやきながらも、B棟の住人・佐々木健太(45歳・会社員)は会議室に向かっていた。その日の議題は、「B棟のエレベーターを最新式のカードキー付きに変更する件」だった。
「防犯のためにいいと思うよ!」
「うん、そろそろ古くなってたし、タイミングかもね」
住人たちからは賛成の声も上がる中、管理会社の担当者が口を開いた。
法律が示す、思わぬルール
「今回のように、一部共用部分、つまりB棟だけが使うエレベーターに関する変更は、原則としてその共用部分を使う人たちだけで決めることができます」
「へぇ、じゃあ全体で話し合わなくていいんだ?」
「はい。ただし…ちょっと複雑なルールがあるんです」
ホワイトボードに、こう書かれた。
一部共用部分に関する“区分所有者全員の規約”を設定・変更・廃止する場合、
→ 共用する人の4分の1超が反対したら、できません。
「3人の反対」が意味すること
「今回、B棟は全部で8戸ありますよね。ということは…」
「4分の1は2人。でも“超える”が条件なので、3人以上が反対すれば、できないということになります」
5人が賛成を表明した。
「安心・安全のためにも進めましょう!」
しかし、3人の手は挙がらなかった。
「高齢の住人もいるし、カード式は不便です」
「費用負担が大きいのは困るわ」
管理会社の担当者が、ゆっくりと判定を下した。
「3人の反対が確認されましたので、この規約変更は不成立です」
知らなかったじゃ済まされないルール
理事会後、佐々木は呟いた。
「いつもの多数決とは違うんだな」
「そう。これは“区分所有法”っていう法律が絡む話。ちゃんと理解しないと、予想と違う結果になるんだよ」
実はこのルール、「一部共用部分」に関する議論の中でも、特に理解が難しいポイントなんです。
普段意識することは少ないかもしれませんが、いざというときに「知らなかった…」では済まされないのが不動産の世界。
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